【製薬会社就活】新卒で入社するべき会社の選び方とは?

【製薬会社就活】新卒で入社するべき会社の選び方とは?

こんにちは。ケースケです。

新卒入社で製薬企業への就職を考えている人へ、

現役MR目線で「どのように会社を見ればいいか?」

という点を少し記事にしようと思います。

 

これまで考えてもみなかった企業や業界からスカウトが届き、話を聞けば視界が大きく広がる!

リクナビ等のサイトエントリーは終わったけどどうすれば良いのか?

という方は、企業のホームページ等からでも読み取れる情報があるので、

現役MR目線で、ちょっとしたコツみたいな部分をお伝えします。

具体的には、

・会社はこれから上向きなのか?

・入社してから、もっとも大事な5年間をどの会社で過ごすか?

この辺りのイメージを持っていただけるかなと思います。

※今回の記事は製薬会社志望の学生向けです。

 

就活サイトの情報から読み取れること

会社情報としては断片的な情報、ホームページの情報と何ら変わりません。

違いとしては待遇面が記載されているところでしょうか。

(月給○○円~、年棒○○万円~といった感じ)

給与、待遇面の違いについては後ほど触れていきます。

あとは企業によっては「特集記事」等にして、

現役社員インタビューとか掲載している会社もありますね。

余談ですが、ここで女性社員(特に管理職)を掲載している会社は、

女性管理職登用の割合が高い or 高めていきたい会社の姿勢が読み取れます。

参考までに、武田薬品工業のリクナビのページを参照して見ます。

会社の歴史、ビジョン、仕事内容・・・とか、

良さそうなことは書いてあるけど、正直各社似ていて決め手に欠ける。

じゃあどうやって会社を選んでいくか?

OB,OG訪問、とか説明会で疑問点を聞く、といったやり方部分は割愛します。

(無意味な訳ではありません。その辺りは一般的な方法なので触れないだけです)

まずは志望企業のホームページを参照して見ましょう。

※参考までに武田薬品工業のページで解説します

現時点での勢いを知る。特許切れリスクに備えて

まずは売上構成を見ていきます。

各社のページ上で「IR情報」、「株主の皆様へ」これらのページへ。

株主総会等で説明した際に使用する、「説明会資料」というのがあります。

これが見やすいので探して見てください。

(タケダの場合は決算カンファレンスコール→ダウンロード、というところですね)

武田薬品工業社 連結業績の概要2018年度第1四半期

https://www.takeda.com/siteassets/jp/home/investors/report/quarterly-announcements/fy2018/qr2018_q1_p01_jp.pdf

パワーポイントのPDF資料がだいたい掲載されていますが、

「主要品目売上」のページを見て見ましょう。

品目名と売上金額が記載されています。

このうち上位3品目くらいの特許切れの時期を調べて見ましょう。

詳細は割愛しますが、概ね発売日から8-10年程度、とイメージしてください。

武田の場合もっとも金額が高いのは「エンティビオ®︎」ですね。

発売日を調べるにはGoogle先生に聞いて見ましょう。

「エンティビオ®︎ 発売日」で検索、すると2018年7月と出ました。

だいたい2026-2028年ぐらいまでは特許があり、

後発品が参入してこないということがわかります(もちろん法改正でどうなるかはわかりませんが)

特許期間も長いですし、売上金額も高い、

すると入社後はこのエンティビオを医師へ紹介するんだな、

というような入社後のイメージもつきそうですね。

 

注:発売後わずかな期間で売上高が高すぎと思われるかもしれません。

(エンティビオ2018年第一四半期での売上高は601億円)

これは武田薬品がグローバルの売り上げを記載しているからです。

企業によっては日本の売り上げのみを記載していますが、

いまや製薬業界の主な売り上げは海外に依存しているので、

グローバルとしての売り上げを見た方が会社の現状を知ることができると思います。

ただ発売日が違えば特許期間も異なるのでこの点は注意が必要です。

(発売日が早ければ当然特許切れ期間も早くなります。世界同時に切れるという訳ではないのです)

若手が活躍できる会社を集めました!

将来性はパイプラインに注目しよう

現状分析はできました。ではみなさんが入社後、5年後10年後はどうなっているか?

この点は開発状況を確認して見ましょう。

Google先生に聞いた方が早いですね。「武田 パイプライン」と検索。

タケダのページからなにやら英語の記載された、「主要製品とパイプライン」と書かれた

資料が出てきたと思います。

 

武田薬品工業社 研究開発パイプライン

https://www.takeda.com/jp/what-we-do/research-and-development/our-pipeline/

 

Phase1,2,3,申請,承認と分かれていますが、

このうち特にPhase3、申請、承認の部分に注目。

ここに記載されている薬剤を扱う可能性大です。

と言いますか、ほぼここに書かれている薬剤で活動することになるでしょう。

そう考えるとタケダは勢いありそうですね…転職しようかな…w

(注:タケダはグローバル意識した記載なので日本未発売の製品もあるようです)

厳密に言えば、Phase3は開発中で発売しない可能性もあります。

Phase1,2に至っては、出ればラッキーぐらいで考えておけばいいですね。

これを見れば完全にオンコロジー特化に持っていきたいように見受けられます。

タケダのオンコロジーは転職者等も積極的に採って専門部隊化していますので、

新卒の皆さんは消化器領域のタケキャブ®︎とか、エンティビオ®︎を販売するのかなと思います。

開発領域の市場性については?

Evaluate Pharma 2024のレポートを参照して見ましょう。

 

EvaluatePharma World Preview 2018, Outlook to 2024

http://info.evaluategroup.com/rs/607-YGS-364/images/WP2018.pdf

 

まずタケダが力を入れているオンコロジー領域、

2024年までのマーケットシェアでは伸び続けるということがわかります。

2017年と比較して、市場は倍増していますね。

これが理由で、各社オンコロジー領域の開発を加速させているのです。

ではタケダトップ売上のエンティビオ®︎はどうでしょうか?

2024年時点での医薬品売上予想ランキングて見ていくと・・・30位にありましたね。

売上予想金額は4,057m$、日本円でおよそ4,500億円といったところ。

完全に屋台骨の製品ですね。今後のプロモーションの力の入れ方がわかります。

もちろん予想ですので、確実なものではありません。大体の傾向を読み取りましょう。

 

給料は大きくは変わらない。福利厚生面にちょっと注目。

皆さんが気になるお給料面。

結論から言いますと、製薬会社新卒を採っている会社の、

外資系含む上位20社ぐらいは大きく変わらないと思っていただいて良いと思います。

外資系は高く見える傾向がありますが、国内企業は手当やら厚いことが多いです。

ただでさえ転職の多い業界なので、給料に圧倒的な差があればみんなやめちゃうんですよね。

ある程度各社情報を共有して、いわゆる大手と呼ばれる会社は足並みを揃えています。

(ボーナスの計算などは別ですが、これはその時々によって変わるものなので割愛します)

 

福利厚生でもっとも大きな部分が住宅補助でしょうか。

細かい点に違いはありますが、概ね家賃の1-3割程度負担しているケースが多いようです。

具体的にいうと、10万円の家賃だとすると、自己負担が1万-3万ということです。

補助の上限金額や、メーカーによっては細かい制限が入るようですが、

「住む場所には困らないし、ある程度選べる」とイメージしていただいて問題ないと思います。

一部外資系の製薬会社で注意が必要なのが、家賃込みで給料に反映させている企業です。

この場合東京ならいくら、大阪ならいくら、といったように相場連動で金額を変えて、

給料として振り込む会社があります。

例えば東京なら7万円負担、年間で84万円を給料として振り込む、といった形式です。

この場合見かけの年収は高くなります(住宅手当分増える)

年収高いのですが、税金も上がっちゃうんですよね・・・注意が必要です。

 

人がいいから、では失敗する

情報を集めて、就活が本格化してくると「どの会社にしようか?」という

疑問が出てくると思います。

特に複数社内定が出ていたりなんかすると、本当に悩みます。

自分が新卒で入社できる会社は一社だけなので。

・新薬がたくさん予定されている会社で働きたい!

・いずれオンコロジー領域で働きたいので、抗がん剤を多く持っている会社で働きたい!

色々考える指標はあると思いますが、たまに聞く意見で、

「人事がいい人なので、相談したOBがいい人なので、この会社に決めました」という意見。

人事がいい人なのは当たり前です。採用担当の顧客は学生であり、

お客さんに悪いイメージを持たれないようにするのが仕事です。

皆さんは入社後、人事の人と仕事をするなんてことはほぼありません。

それに会社には多くの人がいて、一生同じメンバーでということも考えにくいです。

つまり人間関係なんてその時々で変わるのです。

 

これは相談したOBがいい人、というのも同様。

そのOBと同じ営業所(開発の場合同じプロジェクト)になるとは限りませんよね。

人がいいから、で入社して、自分と合わない上司の下に配属されて、

「入社前のイメージと違う!」なんてそれはもう「当たり前」です。

「でも人事の人柄と似た人が会社内で多いんじゃないですか?」

そんなことありません。なぜなら隣の営業所ですら空気感は違うのですから。

第一僕たちは人事がどんな人なのかほとんど知りません。(採用担当なんてほぼ会わない)

人がいいから、だけで選ぶことはお勧めしません。

まとめ

個人的には仕事の商材として重要な「新薬」を扱える会社で、

積極的にプロモーションしていける会社がやりがいを持って働けるのではないかと思います。

転職が多い業界なので、新卒で入社した会社で仕事をしたあと、

自分の興味のある領域などの求人が他社から出たら、

積極的にチャレンジして見てはいかがでしょうか。

(ただし国内系製薬会社は中途採用を積極的に行なっていないケースが多いです)

これからインターンも始まる会社があるようなので、

少しこんな視点で会社を見ると良いかも?という記事でした。

よろしければこの記事もどうぞ。

【製薬会社就活】なんで製薬会社ってイメージ悪いの?