【今後は減少?】MRの給料体系を公開します【年収公開】
自己紹介
外資系製薬MRのケースケです。
今回はみなさんが興味のある、製薬会社の給与について書いていきます。
この記事はどちらかというとベテランの方よりは、MR若手30代前半~これからMRになりたい学生向けですね。
MRの給与体系について書きました。今後はMRの給料、手当は下がっていくでしょうね。各社人員整理を行うと同時に、残った人の給与は減らしていく、といったことが予想されます。少なくとも今より良くなることはないかな…https://t.co/H64cnjMrgZ
— ケースケ@mr-lifehack (@Keisukemrlifeh1) August 18, 2018
■製薬会社の給料にみんな興味がある
製薬会社、で検索をすると必ず上がってくる「給料」「年収」といった単語、
みんな知りたい部分なんだろうと思いますw
ただ製薬業界で勤めている人と、そうでない人で少し意味合いが違うのではないでしょうか。
業界外の人は「なんでこんなに高いの?」という興味の部分が強いでしょうし、
業界内の人は「これから減っていくんじゃないか…」という不安の部分がありそうです。
今回のこの二つともに答えていこうと思います。
■製薬会社の給与は高いのか?
まずインターネットで調べることができる製薬会社の給与を見ていきましょう。
この表は有価証券報告書を公表している国内の製薬会社80社のうち、年収順で上位20社までのランキングです。これを見ると、見慣れない会社が多いな…と思いますよね。
この中には医薬品の開発のみを行なっているバイオベンチャーも含まれています。
とりあえずこのランキングでお伝えしたいことは、平均年収が高いってことだけつかんでくれればOKです。
全産業の年代別の平均年収は以下の通り。
これを見ても、医薬品産業の平均年収は高いということがわかります。
■なんでこんなに高いのか?
製薬産業は売上総利益率が非常に高く、原価の比率が低い高収益体質の産業なのです。
もちろんこの利益から次の医薬品の開発資金を捻出しなければいけないので、
ハイリスクハイリターンな産業とも言えますが。
利益が確保できているため、働いている社員への還元も高いということです。
なお売上総利益率というのは以下の式で計算されます。
売上高 - 売上原価 = 売上総利益(粗利)
売上総利益 ÷ 売上高 =売上総利益率
このうちの売上原価が非常に低いことが理由ですね。
(現役MRのみなさんわかりました?価格交渉をしないとこの辺疎くなりますよね…)
■医薬品産業の利益は薬価で守られている
ちょっと話が逸れますが、実は医薬品の価格は公定価格といいまして、
厚生労働省が定めた価格なのです。
どこの薬局で薬もらっても同じ値段ですよね?定められた薬価以外では販売ができないのです。
実はこの薬価にはあらかじめ製薬会社の利益が組み込まれています。
その%は平均で19.2%、これは営業利益率で計算されています。
営業利益 = 売上高 ― 売上原価 ― 販売管理費
営業利益率=営業利益÷売上高
この販売管理費には人件費が含まれています。
つまり、MRの給与を除いてもなお19.2%の利益が残るように設定されています。
ぼろ儲けじゃん!って思いますよね。
でもですね、医薬品の開発費に、売上高の20%程度を当てている企業がほとんどで、
中には35~40%の開発費を捻出している会社もあります。
開発失敗したら、当然売り上げはゼロです。
医薬品の開発の成功確率はおよそ3万分の1ですので、(化合物数ベース)
本当にハイリスクハイリターンな産業なんです。
■ケースケの年収を公開します!実際の給与の内訳(一般的な例)
【基本給】 いわゆるお給料の部分ですね。毎月の固定給。
【営業手当】MRはこの営業手当がつくことが多いです。会社によって金額は異なります。
【その他手当】会社によりますが、休日出勤手当など。当然変動します。
【営業日当】 営業活動をすると支払われる手当です。メーカー間で差がありますが、概ね
2,000円/日~3,000円/日くらいが相場でしょうか。
【住宅手当】 給与振込の会社と、天引きの会社があります。僕は両方を経験しましたが、
天引きの方が有利だと感じます。税金の支払いがないからです。
【ボーナス(賞与)】これだけは本当に各社差があります。完全インセンティブの会社もあれば、固定+出来高(ノルマ達成に応じて)、という計算をする会社もあります。
その他細かい部分は色々あると思いますが、MRであれば上記の支払いはされているかと思います。
いきなりですが、住宅手当、日当も給与として計算した場合の僕の年収は1,180万円です。
ケースケ年収の内訳
【給与+固定賞与+営業手当】 750万円
【日当】3,000円/日、営業日数20日 年間で60万円
【住宅手当】192万円/年
【セールスインセンティブ】180万/年
■今後はどうなる?製薬会社の給料は…
結論から言うと減少トレンドに入っていくと予想します。
おそらく現役MRの方もそう思われているのではないでしょうか。
理由は2つ。
1つ目、 公定価格の薬価は今後毎年下がっていきます。
これは増大した社会保障費を抑制するため、厚生労働省は薬価の削減にメスを入れ始めました。
元々改革は進んでいたもの、今後さらにこの傾向が加速する予定です。
当然製薬会社の売上高は下がり、コストとして人件費の占める割合が高くなれば、
リストラor今いる社員の給料をカットせざるを得ませんよね。
2つ目、医薬品の開発は非常に難航し、成功確率が下がってきています。
すでにほとんどの病気の医薬品は開発し尽くされました。
概ね治療満足度が高い疾患が多くなってきています。
既存の薬剤の効果を上回るのは難しく、かといってまだ開発が望まれている抗がん剤などは、
思うような結果が出ず開発が難航しています。
「新製品」が出ないということは、当然売上高を圧迫します。薬価は下がっていくのですから。
■マイナス面ばかりを見ないで
現役MRの方が悲観的になる気持ちもわかるのですが…
とはいえ恵まれた待遇で仕事できてますよね?
業界の不安を愚痴にする前に、
文献の一つでも読んで、新しい知識を得て、
どうしたら医師の役に立てるかを考えた方がスキルアップにつながりますよ!
ケースケでした!
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いつも拝見させていただいております。
34歳MRの者です。
是非、今後の「糖尿病領域」について記事を書いていただけないでしょうか?
私ですが、元々他業界→コントラクトMR→今年の7月からノボノルディスクファーマ(株)にて正社員として働いております。
一般的には糖尿病市場が衰退の一途をたどるという話ですが、どのようにお考えでしょうか?
弊社はインスリン市場にてNo.1の地位にはありますが、再生医療等の進歩にて、会社の売り上げの半分が消失する危機に立たされております。(まだまだ先の話かとは思いますが)
リベルサスは初めての経口GLP-1製剤ということでDPP4市場を取ることにはなるとは思いますが、何せ薬価が安いため一時しのぎにしかならない気がします。
コントラクト時代にヤンセンやGSKでバイオ製剤を経験しましたが薬価も違えば医師の扱いもかなり変わります。
特に同じタイミングで元コントラクト同僚がヤンセンの正社員化となりうらやましくてしょうがありません。
年齢的にも転職に残された時間はもうごくごくわずかであると感じております。
何卒今後の糖尿病市場、ノボノルディスクの将来性についてご教授いただけましたら幸いです。