【書評:就活生にもおすすめ】「苦しかった時の話をしようか」を読んで

【書評:就活生にもおすすめ】「苦しかった時の話をしようか」を読んで

新年あけましておめでとうございます。

本年もよろしくお願いします。ブログも少しずつ更新していこうと思います。

昨年末から新年にかけて、本を読む時間が取れたので、

読んだ本の感想など書いていこうと思います。

 

 

著者紹介

森岡毅Tsuyoshi Morioka

代表取締役CEO

日本を代表する戦略家・マーケター。高等数学を用いた独自の戦略理論、革新的なアイデアを生み出すノウハウ、マーケティング理論等、一連の「森岡メソッド」を導入し、経営危機にあったUSJをわずか数年で劇的に経営再建した。
日本のP&Gでブランドマネージャーとしてヴィダルサスーンの黄金期を築いた後、P&G世界本社(米国シンシナティ)へ転籍、北米パンテーンのブランドマネージャー、ヘアケアカテゴリー アソシエイトマーケティングディレクター、ウエラジャパン副代表を経て、USJ入社。同社CMO(チーフ・マーケティング・オフィサー)、執行役員、マーケティング本部長を務める。

株式会社 刀 https://katana-marketing.co.jp/member/

著者の森岡さんの本は、USJ時代のマーケ仕事の本を読んでから全てチェックしていました。

興味がある方はこちらの本もお勧めします。

(今回の記事では取り上げません)

 

 

就活生の自己分析にオススメの本

まずこの本は著者の森岡さんが、就活している自分の子供に向けて書いた本のため、

当然就活に対する心構え、自己分析として役に立つ内容が書かれています。

1章の見出しは「やりたいことがわからなくて悩む君へ」です。ドンピシャじゃないですか?

 

森岡さんの記載と特に自分の考えが近かった一節を引用してみます。

内定を取るために別人格を演じるのは不幸の始まりだ。自分の人格の延長でその特徴を

誇張するのは良いが、別人格はお互いの不幸になるので非常にまずい。

まあ、君が大女優ならいざ知らず、向こうも仕事なので別人格はたいてい怪しく映る(笑)。

内定の確率も下がるだろう。もしも内定してしまうともっと大問題だ。

森岡 毅 著 「苦しかった時の話をしようか」より抜粋 ダイヤモンド社

当然仕事のしたことのない学生は、ある意味全員「ポテンシャル採用」になると思います。

企業側も「募集要項に書かれている業務を、より頑張って行う人」が欲しいわけです。

この時ついた嘘で入社しても、その後5年10年と働くのは難しいですよね。

なぜなら「適性がある」と判断されたのに、その判断された自分は別人格だからです。

 

そんな「こうありたい」という姿を演じ続けたまま就職先を見つけた方は、

「こんなはずじゃなかった…」と悩むことになるのです。

著者はこれを自己分析不足に起因しているとバッサリ述べています。

「本当は営業はやりたくないけど、とにかく内定が欲しいから…」

という意識で営業職内定→入社しても辛いだけですよね。

もちろんこんな正論だけではないと思います。当時の自分も就活必死でした。

それでも「決定的な不向き」を避けることは必要であると思います。

 

余談:営業職は明朗快活、押しが強い人が通りやすいのか?

一般的になイメージでこう思っている人もいると思います。

もちろん好む企業もあるでしょう。

ただ「コミュニケーション能力」を「話好き」としてしまうのは要注意です。

一方的に話す人がコミュニケーション能力が高いわけではありません。

ましてや話すのは理想は2割、顧客が8割の働き方の時代です。

「会話のキャッチボールと、会話を通じて相手が何を考えているか、どうして欲しいか瞬時に察知する」

これがコミュニケーション能力だと思います。

「私はコミュニケーション能力が高いです!なぜなら〜ペラペラペラ…」

と面接で出してしまう人、実は評価されませんね。キャッチボールできていませんので。

何事も自然体が一番だと思います。一見おとなしい人がコツコツ数字あげているというケースはよくみます。

ただ営業の仕事はある程度の「打たれ強さ」は必要かもしれません。

一回で全てうまくいく面会なんてあり得ないので、

ダメならダメで切り替えて次!という意識を持てる人が適性がある人だと思います。

 

社会人になった人も、今一度自分の強みは何かを考えてみる

転職、就活の面接対策をしたい人。

自分をマーケティングする→いわゆる自己PRをどう行うか?ということにつながります。

3章〜4章にはこの考え方が詰まっています。

まず就活生の場合。この本のコンセプトがまさに就活生へ向けたものなので、

そのまま読んで取り入れることができれば、面接の緊張もなくなるのではないでしょうか。

いわゆる「面接マニュアル本」にあるような、「こう聞かれたらこう返せ!」

という類の本ではないですが、本質的な考えが書かれていると思います。

就職後も、これだけ自己分析していれば、やりたい仕事の希望なども出しやすいのでは?

 

転職者の場合。同じように自分をマーケティングする作業は転職時必要なので、

そのやり方を書いてくれている本などはあまりないと思うので必見です。

「職能を増やす」と著者は書いています。

MRの方の場合は、営業職から変わることはないと思います。

「何もないなぁ…」ではなく、今から作ってしまえば良いと思います。

大学担当、TOP KOL担当、社内のプレゼンコンテストで入賞した、

幹部候補研修に参加した、ジョブローテーションで別部署で勤務した、

「職能を作る」という意識があれば、どんどん積極的に参加して、

自分のブランドイメージを高めていけると思います。

MRの将来に不安を抱いている人への一節

6章に「弱点と向き合うには」とあります。

その中で印象深かった一節を引用します。

会社も上司も、君の弱点ばかり指摘して、それを改善することばかりを要求してくるだろう。

すでに論じたように、会社が給料を払っている対象は、君の強さに対してであり、

君が弱みを克服する努力ではない。〜中略〜

要求され、期待されている行動が、以下の3つのどのパターンに当てはまるかを考えるべきだ。

  1. 君の強みの特徴と相反する場合
  2. 君の強みの特徴をより強化する場合
  3. わからない場合

早々にギブアップして良いのは①の場合のみだ。自分の強みを殺すような矛盾した要求は

決して心の中で受け入れてはならない。

仕事がつまらない、面白くない、という理由の一つには、もちろん環境の変化があり、

昨今の規制に始まり「思うように行動できない」という点もあるでしょう。

ただそれよりも「医薬品の営業が致命的に向いていない」という人もいると思います。

さらにいうと「営業職」が自分自身の強みに相反する人もいるでしょう。

こういった意識の人は今、とても辛い状況だと思います。

僕自身もブログとかで書いていますが、「無理をするな」と言いたいです。

仕事には合う合わないが存在するので、やりたいことが明確な人は、

新しい道をどうするかを探すべきだと思います。

「向いているか、向いていないかわからないな?」という人、

そんな人に向けたメッセージもきちんと書かれていますよ。

 

まとめ

・本書は就活生必見の本。自己分析、自己PRについてまでわかりやすく書かれている。

・転職者は「自己のブランド化」、2章の会社の選び方あたりは必見です。

今回は触れていませんが、2章に会社の選び方が書かれていて、

転職する際の企業研究にも応用できるなと思いました。

書き始めると長くなりそうなので、別記事で公開したいと思います。