【新人MRマニュアル】認定試験後から始める来年の準備-ABC分析-

【新人MRマニュアル】認定試験後から始める来年の準備-ABC分析-

認定試験後、その開放感から「よし!やってやるぜ!」な新人MRも多いことでしょう。

でも特に訪問の仕方に指導受けた記憶ないな?

なんて人結構多いのではないでしょうか。

今回は認定試験後~来年を見据えて、意識したいことについて書いていきます。

新人さん向けですが、不安一杯な若手にも参考になれば嬉しいです。

認定試験合格後の働き方

まずは認定試験お疲れ様でした。

自己採点から余裕感ある人、ギリギリで落ち着かない人、

いろんな人がいますよね。

ただ試験結果は変わらないので、あとは結果を待つのみで、

営業活動に力を入れていくのが良いと思います。

ただ今月は何かと忙しい年末。

病院も忙しくなり、ますます会えなくなってやる気が空回りしがちな12月。

せっかく本腰入れて回れるのに…と嘆いている皆さん、

今月は種まきで、ぜひ来年から本気出していきましょう(笑)

ということで、意外と教えてくれない、

「これだけは知っておきたい分析方法とその考え方」

について超初歩的な部分を伝授します。

(もちろん新人以外でも活用いただけます)

考えて働く「考動力」を身につけるために

ABC分析をやってみよう

分析のフレームワークの一つです。

このABC分析の本物の解説は次のリンク先などを参照ください。

ABC分析(エイビーシーぶんせき)とは「重点分析」とも呼ばれ在庫管理などで原材料、製品(商品)等の管理に使われる手法である。在庫の資産としての価値などの評価(重要度)別に段階的な管理手順を適用する。この手法は品質管理におけるパレート分析に類似している。

wikipedia ABC分析

 

さあいきなり難しそうですね。

今の世の中、インターネットを駆使すればなんでも出てきます。

「ABC分析 やりかた」とかで検索してみましょう。

参考までに一番上にあったこちらのサイトのやり方で紹介します。

かんたんExcel関数・顧客の売上高でABCランクを付けて分析する方法IF関数~

 

実際の完成データまで公開されていますね!

このサイトの「売上高」を、自社品、競合品含めた「市場」

と置き換えて作ってみてください。

そしてABCの構成比は必ず決まった数字はないので、

Aランク・・・60%

Bランク・・・80%

Cランク・・・95%

としてみてください。

※この%の割合は好きに変えていいですが、よくわからないという人はまずこの%で作ってみてください。

参考までに、適当に作った資料で紹介すると、

 

ステップ1

自社品の市場を抽出しよう(この病院名は適当につけたもので実際には存在しません)

市場データって会社で買ってると思うので、

どこにあるかわからない人は先輩に聞いてみましょう。

そして大体はエクセルデータなどで自エリアだけ抽出などできるはずです。

抽出したら、エクセルの並べ替えを使って市場大きい順に並べ替えておきます。

 

ステップ2

累積売上

どんどん足してあなたのTotalマーケットを算出しましょう。

この参考例でいけば、市場はおよそ800万ということになりますね。

(ちょっと小さすぎたかもしれませんが、参考例として捉えてください)

ステップ3

構成比を求める

Total市場に対して、一施設がどれだけの割合を占めるかを計算。

累積で積み上げていってください。

ステップ4

ランクを決める

先ほどのリンクのIF関数をそのままコピペして、

数字の80を60に、95を80に変更すればOKです。

=IF(D2<=60%,”A”,IF(D2<=80%,”B”,”C”))

さあできました。

Aランク・・・新宿医療センター、東京病院

Bランク・・・佐藤クリニック、小林皮膚科

Cランク・・・その他

と、こんな感じになります。

 

訪問リソースをどうする?

会社から○回/月訪問しろ!とか言われたことないですか?

僕はこの考え方は化石すぎて意味がないと思っているので、

「Aランクは6回訪問しよう」とか決めないでいいです。

大事なことは、「Aランクの2施設だけで、自分の市場の6割もあるんだ」と認識することです。

 

更に言えばBランク含めて4件で8割の市場、

8割の市場落とせたら数字なんて楽勝ですよね?

鋭い方はお気づきかもしれませんが、

「訪問するのはこの4件だけで十分」ということになります。

残りのCランク8件は未訪問でも大丈夫。

なぜなら一生懸命やっても、たった市場の数%なのですから。

Cランク1回ずつ、計8回の訪問時間を、Aランクに全て費やして4回ずつ2施設とかでいいんです

まずは「こうして回る得意先を削る作業」をしてみてください。

※なれないうちは満遍なく回りがちですが、大事なのは市場があるところに営業をかけるリソース管理です。

 

グルーピングをしてオリジナル病院を作ろう

「〇〇大学の△△先生の派閥がうちの製品派で…」

なんて会議で聞いたことありませんか?

グルーピングって聞くと、なんか小難しそうな印象受けますよね。

新人(or若手)の皆さん、こんなグルーピングを考えるのはまだまだ先です。

まずは製品×エリアでオリジナル病院を作り上げてください。

 

オリジナル病院の作り方

※大病院担当がなく、開業医メインの担当と仮定しています。

前述のABC分析などで市場分析をしましょう。

一人複数、担当製品がある人が多いと思います。

高血圧、糖尿病、PPI、抗凝固、4製品あるとしますよね。

それぞれの市場でABC分析をして、「削る作業」をしたら、

Aランクの開業医を一つにまとめてみてください。

めちゃくちゃ大きい市場になりませんか?

高血圧Aランクオリジナル病院の出来上がりです。

 

この病院はなんと、

・事前アポを取らずに飛び込みで面会可能、

・薬審が存在しない

・部長の許可がないと処方できないなんてことがない。

・今日から全例自社品に切り替わるポテンシャルを秘めたDr.だらけ

・訪問を工夫すれば、1日で数名面会可能。

・週何回でも訪問可能(嫌がられない程度に!)

まさに夢のような病院をあなたは担当しています。

ただちょっと訪問に車を走らせないといけないだけです。

でも時間さえ合わせれば、確実に面会してくれる医師も多いと思います。

・・・ちょっと見方変わりませんか?

このグルーピングをすると、より一層Aランク先へ注力しようと思うようになります。

だってこんなチャンスにあふれた病院、他の誰も担当してませんよね?

それでいいんです。

「Cランクにも行かないといけないのかな…」なんて考えを払拭するためにも、

この各製品オリジナル病院の攻略に注力してください。

同期が基幹病院を担当した!

なんとなく、同期の方が評価高いのかななんて思ったりしちゃいますよね。

でも数字作るのは開業医メインのエリア担当の方が大きな数字作りますし、

この密かに作ったオリジナル病院を攻略できれば、

圧倒的達成率で必ず良い評価がつきます。

新人MRがどんな仕事をするかなんて上司もわからないのです。

担当も正直いって適当に決めている部分もあると思います。

全員一斉に回り始めた今こそ、同期をライバルとして捉えて、

きちんと結果を出して追い抜いてやりましょう!

 

ABC分析の%の扱いについて

多くの分析方法では、

Aランク80%

Bランク95%

Cランクその他

ぐらいにしていることが多いです。

しかし医薬品市場でこの分析をかけると、

結局ほぼ全ての施設を回ることになってしまいます。

会社全体の分析にはいいかもしれませんが、

自分の担当エリアでどこが市場を構成しているのか?

という点をイメージするために、A60%,B80%,Cその他とさせていただきました。

この点は使いやすいように色々数字を変えてみてください。

 

超簡易版PDCAのススメ

PDCAを回せってよく言われるけど、

どんなことやればいいかわからないし、

帰ってきて何時間も分析する時間も体力もないよ!

というみなさん。

超簡易版PDCAのやり方は、明日やることを5分で手帳にメモするだけです。

 

最後の訪問したクリニックの面会待ち時間に手帳を開いて、

明日山田医院でこのパンフ話してみよう、とか、

購入があった薬局で処方元聞いてみよう、とか、

手帳にちょこっと書いておくだけ。

次の日はこのメモ書きに沿って回って、同じように翌日のメモを残す。

この翌日のメモ書きを考える=前回の訪問内容を思い出す作業も兼ねてます。

これもう立派なPDCAサイクルです。

まずは無理なくこれぐらいから始めてみるといいです。

 

さらなる次のステップで、

Aランクオリジナル病院の山田先生が、このパンフを元に自社品に切り替えた!

Aランクオリジナル病院の田中先生にもこのパンフ紹介してみよう!

ぐらいの簡単なことをコツコツやれる人が数字を作ることができる人です。

 

さあ来年から本気出せ!

慣れない社会人生活、認定試験の勉強もあり、

営業所内でもまだ「お客さん」感覚で接してこられた人も多いのではないですか?

来年からはそうも言っていられません。

晴れて(きっと)MRとなった皆さんは、真の意味での戦力として営業所に迎え入れられるでしょう。

何も言ってこなかった先輩から、急に厳しいご指導が入るかもしれません。

今までほとんど言われてこなかった実績、進捗について、

所長から確認されるかもしれません。

これは一人のMRとして認められたということなので、

ぜひ「来年から」本気出して頑張りましょう。

 

まとめ

・ABC分析を行って、自分の市場構成を理解しよう

・グルーピングでオリジナル病院を作り、攻略プランを考えよう

・明日何話そうかな?を前日考えるだけで立派なPDCA

MRの仕事は孤独なことも多いです。

このやり方が正しいのか?指導が全くない人もいると思います。

そんな方には、ぜひこの記事が参考になれば嬉しいです。

ケースケでした!