MRの「営業」としての心得を考えてみる-思考停止族にならないために-

MRという仕事は営業マンです。
もちろん細かな違いはありますが、皆さんの名刺にも「営業」の文字が入っていると思います。
営業と自社品の普及という葛藤のような部分を、少し記事にしてみようと思います。
キーワードは、「思考停止族にならない」です。
【情報収集】好奇心をもって業務に取り組むこと
僕はこの好奇心ってすごい大事だと思っていて、
ほとんど多くの仕事につながる意識だと思います。
言葉悪いけど、「言われたことをこなすだけの人」は過剰入力などポチポチ初めてしまう。次半期での目標が上がり負のスパイラル。
興味を持って取り組んだ方が良い結果でる。好奇心を持つことが大事。目の前の医者にも、自社製品にも、担当地の医療圏の状況にも。興味があれば考え始める。— ケースケ (@Keisukemrlifeh1) September 8, 2020
好奇心持つことが行動の源泉になるのかなぁと思ってますが、
この好奇心をきっかけに、「さてどうしようかな?」と考え始めるのが大事かなと思ってます。
考えない人は何もしない人です。僕は勝手にこういう人たちを「思考停止族」と名付けています。
【ちょっと毒舌】思考停止族=言われたことをやるだけで満足する人
もちろん「業務内容を確実にこなす」ってのは超重要で、
やらないよりはやっている人が重宝されるのは当然です。
ただもう少し「結果に結びつくかどうか」を考えないといけないと思います。
例えば「医師にメールを3通送れ!」となった時、
何の脈絡もないメールを1日に3通送ったとしますよね。しかもそれがゴリゴリの自社品宣伝のメールだとする。
「このメールを送るとどれだけの医師が反応してくれるか」
「どれぐらいの期間で3通送るのが効果的か。その順番は?」
「3通目で自社品の宣伝にしたいな…2つ目までは疾患の話題にしよう」
とまぁ送る前に色々と考えられるわけです。
「僕の感覚」では、そもそも1日に3通も宣伝メールを送ることはNG行為だと思うのですが。
何の疑問も思わず送る人が一定数いる
ところが疑問に思わないでやっちゃう人がいるんですね。
上司「3通送れ!」→「送った〜!満足!」…でこの後のことを考えない。
「僕は先月、メール300通送りましたよフフ…」みたいに自慢される人もいますが、
そんなに送るほどコンテンツないし、詳しく聞くと同じコンテンツを毎月送り続けている。
こうした人はもう送ることが仕事だと思っていて、何も考えない「思考停止族」の人です。
毒吐きますが、「思考停止族」の人は医師から相手にされていません。
面会しても毎回決まったデータを少し話して、「〇〇錠お願いします!」のいつものパターン。
このメーカー、このMRの紹介する薬剤をわざわざ使おうと思うでしょうか?
与えられたKPIの達成は評価が上がるのか?
そしてさらに毒を吐くと、こうした「思考停止族」の人って、
社内評価もそんなに高くなかったりします。KPIは素晴らしい達成率なのですが、
数字が追いついてこない人ってのもこのパターン典型的です。
理由はイメージできますよね。思考停止しているので、会議でも通常の営業活動でも、
何の意見もアイディアもでてこない人なのです。
売上向上のための策を考えることができない人なのです。
そしてそれを追求すると、KPIは達成していることを主張してきます。
こうなるとある意味「悪循環」です。メールの回数が400通/月に増えるでしょう。
営業活動は、きちんと考える時間も確保して、思考停止族にならないように活動しましょう。
逆にメール送って満足、web面会をやって満足、と言う人はちょっと危険。やることはもちろん素晴らしいことだけど、営業は自社品の普及が仕事なので、普及しなかったら正直意味がない、自己満足。
— ケースケ (@Keisukemrlifeh1) September 8, 2020
【注意!】メールやWeb面会を否定しているわけではありません
勘違いしないでいただきたいのは、こうしたKPI達成している人が全員悪ではなく、
「きちんと考えて面会依頼、メール送付しましょう」ってことです。
やることが目的だと、web依頼して取得しても「こんにちは〜」で終わります。
医師にとっては邪魔な時間にしかなりません。
「せっかく時間もらったからには何か役立ててもらわないと…」と考えるのが必要です。
【倫理観】何でもかんでも自社品でなければならないわけじゃない
100点満点でなくても自社品を推奨するのか?
他剤よりも優れていれば提案します。
一長一短ある場合、自社品が他社品を上回れる時に、強気で提案します。
綺麗事のようですがこれが全てで、
全ての人に使われるべき薬剤は正直情報提供前から勝負は決していますから、
「強豪ひしめき合う」時点でその治療薬領域は一長一短ある薬剤が揃っているのです。
SPIN話法のあたりでも書いてますが、とある課題に対し、自社品で解決できるなら提案します。
「ちょっと怪しいな?どうだろう?」という場合は、他剤のエビデンスを振り返ります。
他剤に明確にデータあり(自社品がない)→そんな時は他剤の方が安心です。
私見ですが、こんな時は他剤を提案するべきだと思います。
自社品に有利なデータが全然ないよ!という人は、原本の添付文書に立ち返ってみて、
相互作用、適応症の違い、ADME、腎障害、肝障害などの項目をみてみましょう。
意外とヒントになることが隠されています。
他剤よりも優れているかどうかはどう判断するか?
これは競合品も正しく勉強する、ということになります。
自社品のエビデンスばっかり眺めていても、当然判断することはできないですよね。
少なくとも競合品の添付文書と、引用されている文献は確認しておきましょう(臨床成績の項目等)。
研修体制がしっかりしている企業であれば、他剤の新しいエビデンスなども解説いただけますから、
その研修資料とかを何度も見直す、といった感じで良いと思います。
まとめ
・好奇心を持つことが行動の源泉です。先生はどんな話題に興味があるのでしょうか…
・思考停止族にだけはならないように!きちんと考える時間も確保しましょう。
・競合品の勉強もしましょう。より自社品の使いやすいところが見えてくるかも?
言われていることだけをやるだけってのは実は簡単なので、
ちょっと数字苦しい時はKPI達成のためメールたくさん送るかもしれませんが(それはそれで大事)
どうしたら売上あがるか?を考えないと真の解決にはならないので、
考えながら動く、「考動力」で活動しましょう。
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