【MR活動に役立つ】本社MSLとの働き方とは?

【MR活動に役立つ】本社MSLとの働き方とは?

MRからMSLへキャリアチェンジを考えている人はいませんか?

専門性を高めるってことで、注目されていますよね。

では本社のMSLとMRはどのように関わればいいのか?

仕事内容中心に少し書いていこうと思います。

東京を担当していると、必然的にMSLとの動向なども増えて来ます。

地方にいた時はほとんど同行なんてしませんでしたが、

やっぱり東京は少し特殊なところあって、MSLと働く機会も多いんですね。

ケースケから見た、MSLとの仕事の仕方について紹介します。

あとたくさん同行するからこそ見えてくる、MSLの人にお願いしたいことにも触れていきます。

MSLとは?

転職サイトのDODAの紹介がよくまとまっていますので、以下引用します。

■MSL(メディカル・サイエンス・リエゾン)とは
MSLとはKOL(キーオピニオンリーダー)に対して、医学・科学的なエビデンスや高度な専門知識をもとに、医薬品の情報提供を支援する職種です。KOLは医師など医療分野の専門家で、製薬企業の販売促進に大きな影響力を持ちます。

「医師に対して医薬品の情報を提供する」というと、「MRと何が違うのか?」と思われるかもしれません。MRは営業やマーケティング部門に組織されていますが、MSLは安全性情報室に類する組織に所属している点で、役割が大きく異なります。

MSLの主な業務は、KOLのマネジメントや医師の研究対応、論文投稿や臨床研究支援など多様にありますが、特にKOLのマネジメントと臨床研究支援が重要な業務となっています。

前者の業務は、KOLに対して最新の医学・薬学情報をタイムリーに提供するだけではなく、新しい治療方法や医薬品の適正使用についてKOLと議論するなど、KOLの医療活動を支援します。また、新薬の上市段階では、多くのKOLと良好な関係を構築し、学術的観点から有効性を説くことで、スムーズに市場に新薬を導入できるように活動します。後者の業務では、自社の開発部門と情報を共有しながら臨床試験施設の支援を行います。

doda:メディカスサイエンスリエゾンの仕事とは

 

同行する理由と仕事内容

未承認薬の情報提供

現在の開発品に関する質問を現場で受けた場合。MRは未承認薬の情報提供を認められていません。

そのためMSLに依頼して紹介いただきます。

開発医薬品の情報なんかはネット上でも公開されていますし、

このインターネット全盛の時代ですから、海外で先に発表されたデータの解釈なんかも

すぐに医師は見ることができます。

ちなみにMRはこの面会に同席することができません。

未承認薬の情報提供はMRが関与できず、その話を聞くことすら違反となってしまうからです。

 

新たに開始する臨床研究、基礎研究の打ち合わせ

重要かつ結構多いのはこのケースかもしれません。

特にオンコロジー領域では、市販後のデータ構築が重要だったりします。

そのためある程度例数が期待できる施設or臨床研究グループに、

データ構築の依頼をすることがあります。

これらの打ち合わせはMSLが対応します。(MRは同席できない)

医師側からの要望を受けて対応する場合も同様ですね。

学会前なんかは依頼を受けて、会社が持っている内部資料の提供を行ったりもします。

僕は東京を担当してから、この類の案件で同行することが増えました。

土地柄の特性もあるかもしれませんが、

エビデンスを作るという意識のある医師には積極的に同行すべきですね。

 

自社医薬品の講演スライドコントロール

講演会スライドとして、自社医薬品のデータを提供することもありますよね。

MSL,MAって僕らが持っていないデータとかもスライドで持っていたりするんですよ。

なので講演前には同行して、先生にスライドを紹介していただくっていう仕事が発生します。

熱心なMSLの方だったりすると、最新の研究結果(基礎含む)も併せて紹介してくれたりして、

そこから話が広がることもあります。

また先生の講演テーマが基礎系の場合は、

これはもうMSLに任せるしかないでしょうね。

その領域を専門としているMSLに依頼して対応してもらうべきです。

MSLの人にお願いしたいこと

文献の紹介はMRでもできますよ

なんか最近は現場に出る回数を言われているMSLもいるみたいですね。

そうなると当然逆アポ(MSLからMRへ面会依頼)が発生するのですが、

多いのが同行した際に文献紹介だけして帰るケース。

「その文献前に紹介済みなんだけどなぁ…」って思うこともしばしば。

10報ぐらい並べて、「これらの10報をまとめるとこんなことが言えるのではないでしょうか?」

ぐらいやってくれたら新たな意見を投げかける場として面会は成功かもしれませんが、

「この文献にはこんなことが書いてあります」

で終わる面会ってどうなんですかね。

それMRでもいいんじゃないですか?と思ってしまいます。

MSL、MAの人が面会に来ると言うことで先生は特別感を期待しています。

ぜひこの点を理解して、がっかりするような面会はしないでほしいなと思います。

 

MRを実動部隊として有効活用してください

マーケと共闘して新たなデータに対する意見収集とか、

今後必要なデータを作るための臨床試験を企画したりするのも仕事かと思います。

現場の声をぜひMRを使って集めてほしいと思います。

未承認薬を紹介するとコード違反ですが、

どんなデータが求められているのか?新しいデータに対して現場の医師はどんな考えを持っているのか?

この辺りはMRでも聞くことができます。

ぜひ本社の会議室の中で推測だけで話を進めないで、

現場の声を拾ってください。

そして面白い意見に出会えた場合、その担当MRにコンタクトを取って、

医師に面会してもらえればよりGoodです。

 

どうもMSLの人はMRとコンタクトを取ることをためらう人が多いような印象です。

もちろん面識がない人は話しにくいでしょう。

営業はうるさい人も多いですよね(笑)(話しにくいかなぁ…)

だからこそ自分の担当施設、エリアの会議などには積極的に参加していただいて、

コミュニケーションを図ってほしいと思います。

お互い仕事しやすくなることは間違いないです。

MRの皆さんは、積極的に営業所会議にMSLを呼んで、

新しい文献やトピックスなどを講義していただきましょう。

過去キャリアの違いで担当を決めてほしい

MSL,MAの人って面白いキャリアの人が多いですよね。

もともと医師(MD)をやっていた人、大学で研究をしていた人、

企業で研究をしていた人…その研究内容まで見れば多種多様な人が存在します。

よくエリアごとに担当を決めることもありますが、

個人的な意見としては、専門分野が生かせる担当の割り振りをすべきだと思います。

実例ですが、もともと肝臓を専門に研究していたMSLが得意先で、

遺伝子変異に関する研究をしたいと言う要望を受け、

遺伝子を大学で専攻し研究されていた人を連れて来てもらったことがあります。

この人は柔軟な考えなので結果身を結びましたが、

自分の担当だからと言うことで自己消化しようとして、余計こじれるケースも経験してます。

この辺りは柔軟に、背景の違いで担当を決めてほしいですね。

 

まとめ

・MRはもっとMSLとの同行を積極的に活用すべし!

・MR活動の一つに、本社MSL(学術)との橋渡しの役目がある

・MSL側もMRと共闘して、エビデンス作りをしてほしい

・理想を言えば、指名制で同行相手を決めるよう検討を…

会社によって人数や同行依頼ができるかどうかなども違うと思いますが、

現場の医師からは、今後ますますMSL訪問のニーズが高まっていくことでしょう。

MRからMSLへのキャリアチェンジを考えている人も、

まずは積極的に同行を依頼して、どんな仕事をしているかを観察してみてはいかがでしょうか?

(部署内の人脈作りにも役立ちますよ!)

ケースケでした!