活動しても全く響かない顧客へアプローチを継続すべきか?

活動しても全く響かない顧客へアプローチを継続すべきか?

担当して訪問しているけど全く処方してくれない…

話をしてもなんとなく盛り上がらず、面会そのものが非常に辛い顧客がいるという方。

今回はそんな人向けに記事を書いてみようと思います。

大前提として、面会内容に難ありの場合は他に課題があることもあります。

事前準備を徹底してみて、やることやってみてから判断してみましょう。

判断としては「他の先生は納得して少しずつでも使い始めたのに、この先生はさっぱりだな?」という状況です。

事前準備系の記事は以下をどうぞ。

【新人MRマニュアル】認定試験後から始める来年の準備-ABC分析-

【SPIN話法のススメ】得意先で何を話せばいいかわからないという人へ

訪問回数トレースはやめたら良いのでは、という意見

 

思い切って諦めて、営業リソースを他に回し数字を作るべし

極端な例ですが、大結論はこれです。

まずこう考えましょう。よっぽど製品力に差がない限りは、全員から処方されるというのは無理な話です。

比較的自社品への反応が良く、興味がありそうな医師に対して営業リソースを全投下し、

その医師からの処方割合を高めることに徹底するのが数字作りの近道です。

 

具体的に分析してみよう。ABCランク分けと併せて考えてみる

主観で良いので、攻略難易度別に1〜3ぐらいで分けてみる

まずはターゲット施設を一覧にして、ABCランク分けを行いましょう。

(詳しいやり方は上記リンクから過去記事を確認してみてください)

以前もお伝えした通りCランクはほとんど訪問しません。A,Bランクをメインで考えます。

次にその施設内のターゲットDr.を一覧にします。

そしてその次は患者数。正確でなくても、多いか少ないかぐらいがわかればいいです。

(ただここを間違えると後々不幸なので、ある程度詳しく調査しましょう)

患者数定義はa〜eとしました。重要なのは、あなたの市場で見たときの患者数です。

施設で一番見ているからa!ではなくて、市場全体で見たときを考えましょう。

そして最後に攻略できそうな難易度別に1〜3でつけていってみましょう。

超絶適当に作りましたがこんな感じのイメージです。

優先して訪問する順は?

Aランクの患者数多いaの医師、と思われがちですが、個人的には難易度の低い「1」の先生がおすすめです。

1の中でも優先すべきは「Aa1の佐藤2先生」ですね。

その次は「Ac1の佐藤5先生」でしょうか?この場合患者数の多い「高橋先生Ba1」をおすすめします。

患者数は自分の市場全体で、と書きましたが、この判断を行うためです。

一見するとBランク施設ではあるものの、他医師がいないため患者が集中しており、

Aランクの医師一人当たりよりも患者数が多い。こういったことはみなさんの市場でもあるのではないでしょうか。

患者数が多い(市場が大きい)所にリソースを投下するのは基本なので、患者数多い医師にアプローチしましょう。

この観点で行くと次は「Bb1の田中1先生」となりますね。

その次はAc1の佐藤5先生、次いでBc1の伊藤1先生、伊藤2先生となります。

・1. 攻略難易度を優先して判断する(1〜3)

・2. 市場全体で見た際の患者数で判断する(a〜e)

・3. 上記が同じなら施設ランクの高い施設(A>B)

攻略しやすい順にアプローチすると得られること

どう攻略していくか?に時間を使うことができる

もしかしたらこんな情報持って行ったら使ってもらえるかも?

そう思わせる先生との面会は楽しく感じると思います。

営業なので、のれんに腕押し、実績につながるかわからない面会よりも、

自社品に反応して興味があり、もう少し詳しく聞いてみたいという医師へは自然と足が向くのではないでしょうか。

うまくいかなくてメンタル沈んでいる人ほど、反応良くウマの合う先生に通ってヒントをもらいましょう。

 

自分自身の成功パターンを作ることができる

「こんな情報持って行ったら使ってもらえるのでは?」と考えることが、

他の医師にも当てはまることがあります。

考えて行動して、もらった質問に回答するため資料を探して…

この一連のサイクルがプラス意識となり、自分だけの成功体験になるのではないでしょうか。

会議等で共有されるものは華やかなものも多いですが、実は他の人には当てはまらないものも多く、

こうして書くと当たり前のことを積み上げることが最も身近な成功体験です。

もしかするとこのときに自分自身の中でまとめた面談内容が、難易度2-3の医師に響くかもしれません。

大市場先への訪問数を減らして良いのか?

もちろん訪問します。基本A,Bランクしか訪問しないのですし、

この優先順位で訪問計画を作成したとしてもどうやっても時間が余ると思うので、

Aa1の佐藤2先生に訪問する日に、同日に佐藤3,4先生に会うとか工夫します。

あくまでも訪問計画の優先順位をどう考えるか?なので。

とはいえ攻略できそうな見込みのある難易度1の医師に会うことを優先してみましょう。

注1.ルートセールスは逃げられない?ABC分析と併せて判断してみる

とはいっても一番大きな市場で苦戦しているという方。

特に病院担当者などは、施設数も少なく逃げることができないという人もいると思います。

この顧客に見切りをつけて〜という考え方は「新規開拓系営業」には浸透するのですが、

MRのようなルートセールスには完全に当てはめることはできません。

そのため施設単位ではなく、医師単位で考えて分析してみましょう。

一番大きな市場の施設で、最も攻略できそうな医師を見定め、突破口を作るのです。

トップダウンが厳しく、診療部長が全ての処方を決めてしまう場合

最近ではあまり聞きませんが、「医局として〇〇錠以外は使うな!」と指示が出ている場合は、

申し訳ないですがこの診療部長を落とす以外には策がないと思われます。

その施設がAランクで超巨大市場であった場合は、本社も巻き込んだ施策が必要かもしれません。

何れにしてもなんらかの理由で〇〇錠、という決断に至っているわけなので、

その辺りを他医局内の聞きやすい先生に聞くのが良いかもしれませんね。

その薬剤を使うに至った背景がどうやっても自社ではできない場合(超高額な奨学寄付金など)

上長巻き込んで対策を練った方が良いと思います。

注2. 「どうやっても使えない」理由を把握しておく

例えば医師主導型臨床試験などが行われており、競合品による検証が行われている場合。

よっぽどのことがない限り、競合品を優先して処方(試験登録)を行います。これは必然です。

この施設に足しげく通い情報提供を続けたところで、

「良さそうなことはわかるが使うことができない」というジレンマに陥ります。

この臨床試験導入先で優先的に調査しておくべき事柄は、

「施設内で誰がその臨床試験を取りまとめているか?」です。

予定登録数と現在までの進捗がわかればベストです。

おおよその終了予定時期がわかるので、登録終了後に自社品を使ってもらえるよう、

活動の波を「あと数例」といった終了直前に設定しておくと良いと思います。

それまでは他の施設で数字を作ることに専念しましょう。

 

やむない事情で処方されないことがわかった場合。その場合どうするか?

上司同席のもと、そのやむない事情を話してもらえる面談をセッティングしましょう。

まとめている先生にアポイントを取って、試験内容まで触れないながらも、

競合品を優先的に使う状況であることを理解していただきます。

その上で計画会議に臨んで、ある程度便宜を図ってもらう必要がありますね。

担当製品が複数ある場合、他の製品の計画を多く取って、営業所メンバーにも納得してもらいましょう…

いずれにしても市場割で計画がつけば、大幅未達は避けられません。

また上長自らが把握することで、他営業所間でのやりとりの材料にもなり得ます。

仮に営業所内で最も大きな市場がこの理由の場合、営業所としても未達は避けられないのですが、

少なくともこの事実を上長が知らなければ他営業所との交渉ができません。

「なんとか頑張ります!」の根性論だけではうまくいかないので、

上長との情報共有が大事です。

 

まとめ

・攻略難易度を見定めて、確実に処方を増やしていく活動をしよう

・患者数は自分の担当施設全体で考える

・Aランクなどの施設費ほど突破口となる医師が必要

難易度1と定義した医師が、自社品の割合が26%を超えたらひとまず安心です。

理想は42%、揺るぎない地位を目指すのですが、

この話題はまた今後書いてみようと思います。

興味がある方はランチェスター理論で調べてみてください。

ケースケでした。