後輩に対する指導の心構えを考えてみる

後輩に対する指導の心構えを考えてみる

今の会社は新卒採用がなく、中途のみで構成されているため、

若手メンバーをきちんと指導する、という機会に正直乏しいです。

また各々広域を担当しているため、下手すれば1ヶ月に1回しか会わないメンバーもいます。

仕事面のアドバイス(特に若手に対して)はどのように行えば良いのか、考えてみます。

きっかけはテレビ会議中に課題検証の場面で、

「自分の課題が正しいかどうかを検証して欲しい」と言われたことがきっかけです。

まずはこの「課題が何かを考える」という重要性から書いていきます。

色々疑問を持ち、きちんと検証できるようになろう

この施設はどんなことが課題なの?という質問に対して

「えっと〜…、〇〇だと思います…」という返答は本来あり得ないのです。

なぜならば課題と認識していることに対して、こちらの策が変わってくるからです。

策が変わると面会する顧客、メッセージ、頻度が変わってきます。

もし課題認識が不十分である場合、「何の目標もないけどただ先生に会ってます」という宣言に等しいのです。

 

自分で考えている仮説、課題はきちんと言い切る

ハッタリをかませというわけではなく(ある程度は必要なのだが)、

少なくとも「自分自身では〇〇が課題だと思うので、〜〜という活動をしています」

とここまで即答できるべきだと思います。

これが正しいかどうかわからないから言えない…不安…という意見も大いに理解できます。

ただ、自分の担当施設の状況は自分が一番詳しいので、他の人が何と言おうと言い切ってしまいましょう。

もちろん色々ツッコミが入るかもしれません。

そんな時のため、自信を持って言い切れるだけの根拠をきちんと把握しておくべきだと思います。

 

ベテランにはベテランの役割がある

会議では数字の出方、上がった下がったを議論しても生産的ではないです。

設定した課題が正しいかどうか?を複数人で検証することが必要だと思います。

そんな会議の場が設定できれば生産的です。

 

例えば難航施設攻略として、診療部長をターゲットに定めた(課題と設定した)人、Aさんがいたとします。

その根拠は? → 部長が患者数一番多いから

情報源は? → …何となくです…

と、こういうシーンはよく目にすると思います。

Aさんは課題を設定したが、どうも根拠に乏しい。

こんな時に経験豊富勢がアドバイスをすることができるかどうかは、

普段仮説検証をきちんと行っているかどうかで決まるのです。

仮説検証を行っておらず、ただ訪問して会っているだけ〜という人は、

こんな時にAさんにアドバイスをすることができません。

30代に突入し、いわゆる「中堅」とされる世代になっている人。

こんな時に的確にアドバイスができるかどうか?で今までの仕事の仕方が見えてくるはずです。

 

経験豊富なメンバーからアドバイスをすることで、例えば、

まだまだ調べることありそうだ!薬剤師に聞いてみよう!とか、

門前薬局でどの先生からの処方が多いが確認してみよう!とか、

Aさん自身に、前に進むための具体的な行動に気づいてもらえるのです。

 

指導、アドバイスを受ける側の心構えとして

これは受ける側(若手)に向けてなのですが、なかなか先輩等に相談できない…という人もいるでしょう。

どんな理由があるでしょうか?

・こんなことも知らないの?と思われたくない

・相談できる環境がなかなか無い(オフィスに集まらない、みんな忙しい等の遠慮)

・そもそも何のアドバイスを受けるべきかわからない

・先輩に相談しても何のアドバイスも得られない

こんなところでしょうか。

アドバイスを受けるというのは当然「人が介在する」行動なので、

人にまつわる悩み関係がほとんどかと思います。

これらの悩みを解消するアドバイスとしては、「全く気にしなくていいよ」と言いたいです。

さらにいうと、「指導を得ようとアドバイスしてくる人」は総じて評価が高いです。

つまりはどんどん相談して、あなたの評価を上げていきましょう。

もし誰にも相談せず、実績も伸び悩み、何かミスをした時…こんな時は誰も助けてくれません。

あなたの悩みは営業所メンバー全員の悩みに変えてしまうのです。

 

指導、アドバイスのする側の心構えとして

これはよくある悩みの裏返しにすればいいですね。

・こんなことも知らないの?と思われたくない

→知らない、わからないということを否定しない

誰も教えたことがないなら知らないのは当たり前ですし、

絶対に否定しないことです。2度とあなたには相談して来なくなります。

個人的には、「こんなこともしらないの…?」ということも否定しないようにしています。

もちろん口に出すことも、態度に出すこともありません。

なぜなら考え方は人それぞれで、自分に置き換えてみても、

他人は当たり前のようにやっていることを知らないということもあり得るのですから。

・相談できる環境がなかなか無い(オフィスに集まらない、みんな忙しい等の遠慮)

→いつでもウェルカムである空気を作る(無理やりにでも)

最近はITツールも発達しており、メールを始めスカイプのようなオンライン会議環境もあると思います。

こういったものをどんどん活用すべきですね。

そして指導者側から、こうした面会の機会が必要ではないか呼びかけることが大事です。

今の20代ぐらいの方は、積極的に他人にアドバイスを求めてくることが苦手なように思います。

こちらから環境は整っていることを伝えると、「実は…」となることも多いのです。

そうした環境を整えて、手を差し出すこともベテラン勢の仕事です。

・そもそも何のアドバイスを受けるべきかわからない

→指導側がどんなことに悩んでいるのか考えてみては?

「最近どう?こんなこと悩んでない?」と聞いてみることで、

自分の課題について考え直してみるものです。逆に言われて初めて考えるという点もあります。

ここで大事なことは、「課題の押しつけ、押し売りをしない」ということです。

かる〜い感じでいいのです。「お前は絶対こんなことが課題だろう!」なんて思ってはいけません。

もしそれが本質だとしても、当人が気づくまでは課題ではないのですから。

・先輩に相談しても何のアドバイスも得られない

→普段からの仕事の取り組みを、後輩も評価しているという自覚を持つ

あなたを評価するのは上司だけではなく、後輩もということです。

こう思われるのは少し恥ずかしいですよね…今一度振り返りましょう。

指導する側は適切なアドバイスをする必要があります。

普段のご自身の仕事が適当である場合、指導も適当なものとなり、

あなたに相談した後輩は、このケースもやはり2度と相談しなくなってしまいます。

 

まとめ

・疑問に思ったことはどんどん聞いてみよう。積極的な姿勢は必ず評価されます。

・若手メンバーには、ベテランから手を差し伸べ環境を作ってあげる

・きちんと指導するためにも、自分自身全力で取り組まなければならない

最後の一文を自分への戒めとして、意識していきたいと思います。

便宜上「若手」としましたが、これはもちろん年齢が上の人が、

後輩等に聞くことも必要だと思います。

わからないことは、プライドを捨て素直に後輩に指導をしてもらう、

そんな姿勢がこれからは必要なのかもしれません。