【未経験でもチャレンジ】オンコロジーMRの仕事内容

【未経験でもチャレンジ】オンコロジーMRの仕事内容

今日はオンコロジーMRの仕事内容について。

オンコロジー領域での活動って、何が違うのか?

具体的な仕事内容を踏まえて紹介します。

未経験でオンコロジー領域にチャレンジする人の参考になれば嬉しいです。

今大多数の方はプライマリー領域を担当されているかと思います。

ただこのプライマリーと言う言葉、スペシャリティー(オンコロジーも含まれることが多い)

と分けて使われていますが、僕はこの考えがあまり好きではありません。

これについては後ほど述べます。

そもそもオンコロジーMRとは?

抗がん剤の情報提供に特化したMRだと思っていただければ間違い無いと思います。

抗がん剤は副作用も強い薬剤が多いことから、専門部隊として事業部を別に立ち上げ、

活動している会社が多いのが現状です。

そして各社抗がん剤の開発に力を入れて発売をし、

この「オンコロジーMR」と呼ばれる人がどんどん増えてきています。

 

プライマリー領域との違いってなんだろう

一例一例にFocusした活動

オンコロジーだけが特別ではありませんが、かなり突っ込んだところまで話し合うこともあります。

一例として「肺がん」の患者さんがいたとしましょう。

肺がんと診断された、では自社の抗がん剤を提案…の前にもう少し詳しく聞くことがあります。

まず治療歴があるかどうかは確認します。

なぜなら抗がん剤は治療歴の有無で治療薬が異なるからです。

またここ最近は遺伝子の変異をターゲットとした薬剤が数多く存在するため、

「どんな遺伝子変異があるか」これも確認しますね。

そうやって色々と情報を引き出していって、先生が考えている「一人」に最適かどうかを確認します。

年齢、性別、PS、治療歴、家族のサポート、肺がんなら喫煙歴とか…

営業の側面がなさそうですか?実はこれらの情報を総合して、

ガイドライン上推奨されている治療薬には自社品+競合品が存在しています。

多かれ少なかれ長所短所がありますが、並列に記載されている薬剤同士は、

プライマリー領域と変わらない「営業」の側面が入ってきます。

ただがん治療は副作用も強く、思った効果が得られないこともありますので、

「適していないな」と思ったら、僕は割とあっさりと競合品をすすめたりもしますが。

 

高血圧領域担当者との連携例

高血圧薬を担当している同じ会社のMRに、

「オンコロジーの人たちは治療薬や疾患の話ができていいですね…」

といった趣旨の話をされたことがあります。

僕は高血圧の薬を扱ったことがないので、「できないもんなのか?」と正直よくわからなかったのです。

 

絶対情報提供求められていると思っていました。

なぜならがん治療を受ける人は高血圧や糖尿病を併発する年齢でもあるからです。

そして一部の抗がん剤は、投与することで血圧の値が上昇する薬剤もあります。

そんな時先生たちはどうしているか?高血圧の薬を使っているんです。

でも血圧に関しては専門ではありません。クラシックな治療薬などが入っているケース多いです。

そこで同行して高血圧薬について勉強会をしました。

色々と配合剤も出てきていた時でしたし、割と興味を持って聞いてくれて、

その診療科の先生たちが、自社の高血圧治療薬を使ってくれたことがあります。

その担当者からしたら完全に「ターゲット外」の先生たちからです。

こういった事例があるからこそ、社内のネットワークも活用して、

自分一人では行かない診療科、医師へのアプローチも有効ではないでしょうか?

昨日の情報はもう古いかも?

この領域は本当に日進月歩だと感じます。

この見出しは大げさかもしれません。新しい試験結果が反映されるまでは少し時間がかかります。

でも一度センセーショナルな試験結果が報告されると、

今までの治療レジメンが根底から変わり、あらゆる人の治療が一気に変わっていく、

そんなサイエンスの恩恵を目の当たりにできる領域でもあります。

そしてこれらの最新情報をすぐに医師とディスカッションできる担当者は、

圧倒的に医局内でも絶大な地位を築いていることが多いです。

つまり評価される活動なのだろうと思います。

当然新しい情報を知らないといけないわけで、勉強が必要になりますね。

論文を読むのはもちろん、最近はオープンソースで海外演者が試験結果などの解釈を

Web上で放映してくれたりしているので、そんな動画みて勉強したりします。

…と言うことで私も苦手ですが、英語は避けて通れないですね…

論文が読めるぐらいの英語力はあるに越したことないと思います…僕も勉強します…

 

MRとしての活動は同じ

とここまで色々書いてきましたが、MRとしての活動は大きく変わらないと思っています。

先ほどの高血圧の例もそうですが、同行して高血圧治療について話してもらうと、

その人は僕からすれば、「高血圧治療薬」について語ることができるスペシャリティMRです。

一方で僕らも、ガイドライン上並列に記載されている競合薬よりも自社品を使ってもらうために、

エビデンスが、データが、論文が、といった話以外の話題も出したりしますからね。

扱っている薬剤の分野が異なるだけで、根本部分は変わらないと思っています。

 

キャリアアップに結びつくか?

MRとしての活動は変わらないと書きましたが、ではオンコロジーの経験はキャリアに影響するか?

ここ最近の求人をみていると、

オンコロジーの経験、バイオ製剤の経験は間違いなく自分自身の市場価値を高めます。

「なんだ矛盾してるじゃん…」と思うかもしれませんが、

MRという職種で募集がかかっている領域の多くはオンコロジーかバイオ製剤担当者です。

ただ最近の案件でよく目にするのは、「未経験応募可」というもの。

基幹病院、大学の担当などが要件にあるものの、

オンコロジー経験がなくとも応募できる案件が増えてきました。

 

どんな分野でも新しいことは勉強しなければなりませんが、

僕はMRとしての活動自体は大きく変わらないと書きました。

今、いわゆるプライマリーMRとして活動されている人も、

興味があるならどんどんチャレンジするべきです。

「難しそう」とか、「特別なスキルが必要なのかも…」とか、特にないです。

僕だってがん領域に入った当初、何も知らずに活動していたので。

 

オンコロジーを経験しないといけないのか?

一方でプライマリーだからダメ、とか僕は思っていなくて、

今でも会社を支える屋台骨の事業部であることがほとんどです。

前も少し書いたことがあるのですが、がん領域含むスペシャリティ領域は「売れちゃった」があります。

極端な話一回も先生と会ったことなくても、勝手に使ってもらって売り上げが上がって…と、

自称「俺仕事できるぜオンコロジーMR」はたくさんいます。

でも生活習慣病領域は違いますね。競合ひしめき合う中、

自社品を使っているのは「あなたの活動が評価されているから」です。

評価されていなかったら他社品使いますし。

病院で複数製品、圧倒的に自社シェアが高い担当者は、純粋にすごい人と僕自身思いますし、

勉強になることもめちゃくちゃ多いです。

 

まとめ

・オンコロジーMRは「患者一人」にFocusした活動が求められる

・新しい情報をキャッチできる人が、病院でも重宝される。

・プライマリーで興味がある人は積極的にオンコロジー案件にチャレンジしてみよう!

キャリアチェンジを考えている人は、

「1例にFocusした活動」経験があれば、その経験は評価されると思います。

人数を減らしていくという話が多い中、

一方で募集をしている企業もあるのは事実です。

積極的に考えてみるきっかけになれば幸いです。

 

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