MRから他業種、他業界への転職について考えてみる
2018年〜2019年と早期退職が相次ぐ製薬業界。
特に各社営業人員としてMRの人数削減が始まっています。
自分も含め、仕事を失うことなく働き続けるにはどうしたらいいのか?
MRとして働き続けることは可能なのか?
ちょっと答えを出すまでには至らないですが、一つの意見として読んでいただければ幸いです。
ブログ更新。他業界への転職について。どんどんチャレンジすべし…ただ現実はなかなか厳しい。https://t.co/8QP7yDZFfw
— ケースケ (@Keisukemrlifeh1) December 4, 2019
MRの人数は減少傾向、これからも減少していくことは否定しない
いきなり暗い話題ですが、働いている人ほど実感しているのではないでしょうか。
ミクスの記事を見てみましょう。
ミクス編集部は原則19年4月1日時点のMR数について各社に回答を求めた。MR数の年次推移を見るため、15年から比較可能な50社を集計した。それによると19年のMR総数は3万8911人で、18年は4万1414人に対して2503人の減少となった。15年~19年までの対前年減少数を合算すると5231人となり、その半数が19年に減ったことが分かる。
ということで2018年〜2019年にかけて2500人減少、
各社営業人員をカットして、組織のスリム化を図っています。
なぜ早期退職を募り人員削減を始めているのか?
一つ目の理由は、開発パイプラインの難航。
開発品が続かず、長期収載品が収益の柱となっている企業が増えてきていること。
現在はブロックバスターと呼ばれるような薬剤を保有していても、
数年後の特許切れで売上が下がってしまうことが予想されれば、経営は厳しくなってしまいます。
科学の進歩に伴い、病気別でみたときにも治療満足度は高まってきており、
既存品を上回る効果を示すことが難しくなってきているのが背景にあります。
2つ目の理由は、日本国内は魅力のある市場ではなくなっていること。
IQVIAの調査によると、2018年の日本の医薬品市場規模は1.7%減と2年連続で減少。
医療費抑制の風潮が叫ばれる中、市場拡大が大きくは見込めない。
特に外資系は生産性、利益率にシビアな会社も多く、
本社の指示で〇〇%人員削減、という指示に従わないといけないことも考えられる。
今まさに製薬業界は暗雲立ち込める、どしゃ降り気候なのです。
他業界へ飛び出して見る前に考えたいこと
自分の知人にも複数名、他業界で活躍されている方がいます。
薬局経営、開業医院の事務、他業界営業職、コンサル業等々…
MRは特段何か資格が得られる仕事ではないですが(認定試験は民間資格で、業界出れば意味がない)
他業界に活躍のフィールドを見つけ、転職された方は結構多いと思います。
自分の知りうる限り、他業界で活躍されている方は、
仕事に対して真面目で真摯に取り組まれていた方が多い印象です。
目の前の仕事に一生懸命な人ほど、新しいキャリアを真剣に考えて、
行動してチャレンジできているのではないかと思います。
自分への戒めも兼ねて言葉として書いておきますが、
MRという仕事に真剣になれない人は、新しいキャリアを築くことは難しいのだろうと思います。
製薬業界そのものが、無気力な人を大量に作り出してしまった
「真剣にって言われてもガイドラインでやれることほとんど無いし…」
というご意見はごもっともです。かなり制限が厳しくなっています。
会社上層部の考えとしては、「違反されるぐらいなら何もして欲しく無い」ということで、
ガイドラインよりもさらに厳しく行動を制限している会社もあると聞きます。
この現場を全く信用していない考え方が、無気力MRを生み出していると思います。
サイエンスではなく人間関係構築で薬を売っていた世代(40代〜50代)
具体的なやり方を教えてもらう事もなく、シェアオブボイスからシェアオブマインドに変革「された」世代(30代)
入社直後から理想と現実のギャップにいきなりぶつかる世代(20代)
各世代考え方が違いすぎて、「よくわからないし何もしないようにしよう」となっているのが現状です。
例えばこんなときに、本来ならば方針を決めるべき世代の40代〜50代が業界の流れについていっていない、
そのため具体的な指示も出せずに「ガイドライン遵守!目標達成は絶対!」とかなり矛盾したことを言い続ける。
そんな矛盾にいち早く敏感に反応しやる気をなくす若手MR(20代)、
板挟みにあい、かといって家庭もあり大きなチャレンジに踏み切れない30代、
こうしてやる気が削がれ、無気力な人を大量量産しているのが現状では無いでしょうか。
他業界へチャレンジするのは得策か
家庭事情、年齢などの様々な事情があるとは思いますが、チャンスあれば飛び出すのも良いと思っています。
特に20代の人で、薬剤の勉強が辛く全く興味が持てないという人は検討すべきだと思っています。
過去記事の最後の方でもちょっと触れていますが、仕事なんて無理してしがみつかなくたって良いと思います。
興味ある仕事は他にもあるかもしれないのだし、どんどんチャレンジすべきかと。
ただ前述した通り、他業界へ転職した方は目の前のMRという仕事にも全力で取り組まれていた方でした。
社内評価は高く、いわゆる優秀と呼ばれていたような方々ばかり。
だからこそキャリアを熟考した結果、転職されたのかなと思います。
MRという仕事に全力で取り組むには
目の前の仕事に本気で取り組めるかどうかが、新たなチャレンジ成功の要因では、と書きました。
今いる会社は、MRという仕事に本気で取り組める会社でしょうか?
一つの判断としては自社の周りにスーパーMRと思える人がいるかどうか?
営業成績も継続して達成し、社内評価も高く、どこかいつも楽しそうに仕事をしている人。
こうした人がいるかどうかは、ベースが整っている判断になると思います。
知りうる限りそんな人いないな…と思った人、環境を変えてしまうのも一つの手段です。
アポイントもらって、医師とディスカッションできるMR活動はまだ存在する
少なくとも弊社はこれが可能です。
もちろんガイドラインは遵守しています。弊社だけ特別ということはありません。
疾患についても、自社品の話題についても、
使う意義、効果、副作用、副作用がおきた時のその対処法、個別事例の話題などについて話します。
医師の求めに応じて、自身の判断で著作権処理した文献を提供することも可能です(直送にはなりますが)
審査報告書に記載されている、治験時の詳細なデータなども話し合います(GL上問題ありません)
ガイドライン厳しくやれることは減ってきているのは事実ですが、
少なくとも現段階では、MRという仕事に本気で取り組める環境はあります。
指標として、「オーファン(専門領域)×プライマリー品目がない会社」はこの傾向があると思います。
注:プライマリー領域を取り扱っている会社はいけないのか?
全くそういったわけではありませんが、
競合会社多数の状況で刺し合いが多いことが予想されると、
会社としては情報提供ガイドラインをより厳しく捉え、ガイドライン以上に厳しいものを制定しがちです。
これは当然会社全体に影響を及ぼしますので、専門領域MRであっても引っ張られることになると思います。
まとめ
・今後もMRの人数は減少していくことが予想される。他業界への転職を検討することも必要。
・目の前の仕事に本気で取り組める人が、他業界でも活躍できる人なのではないか
・GLで厳しい現状、今の会社で無気力であり続けるよりは、心機一転環境を変えるのも一つの手段
一度無気力人間になってしまうと、そこから這い上がるのにはかなりのエネルギーを使うと思っています。
意欲的で今の仕事にも前向きに取り組める人材が重宝されるのであれば、
そういった「やる気の出る環境」に変えてしまうのも一つの手段ですね。
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