【MRのキャリア】東京で働くことのメリットデメリット

【MRのキャリア】東京で働くことのメリットデメリット

東京で働く人はどんな人なのか?

ケースケは東京で働いて3年になりますが、

それまでは地方都市(主に関西エリア)で仕事をしていました。

東京に来て感じるメリットデメリットについてご紹介します。

東京で働くメリット

仕事面

本社スタッフとの距離が近い

これが最大のメリットではないでしょうか。

もしみなさんが地方都市担当の場合、本社の人との同行ってどれぐらいありますか?

年に数回程度かと思います。月一回ある人はかなり多い方です。

ケースケは東京に来て、平均したら週一回は本社スタッフと同行してます。

呼べばすぐに来てくれます。

KOLアポイントとったら、共有すれば複数人来ます。

いわゆる本社スタッフに自分を売り込む機会も増えると思います。(僕個人はあまり好きではないですが)

 

顧客側はどう捉えているか?

例えばまだ未公開データなど、意見を聞くためにマーケティングが紹介したりします。

治験や新規臨床試験などもその一つですね。

今後の治療内容を変えるかもしれない話を直接聞く機会が得られるのです。(もちろん同席はしませんよ)

顧客からしたらメリットになっていると思いますが、

実は各社同じような対応もしているので、ある意味「当たり前」になっているところはありますね。

オリジナルの案件を作って、それに沿った本社スタッフを呼び、

新しくエビデンスor研究知見に関する提案ができると差別化ができるでしょう。

 

最新の研究に触れることができる

東京は本当に多くの医師、病院、大学があります。

それらの施設が競争して存在しているのです。

各種色々な臨床試験グループが、新しいエビデンスを生み出すため企画していますし、

基礎研究としてこれからの治療を大きく変えるような研究をされている先生に出会うチャンスも多いのです。

単なる医薬品の紹介だけではない、

本当の医学の最先端に触れることができるのも東京ならではかもしれません。

もちろん地方都市で研究されている先生もいらっしゃるかと思いますが、

相対的な割合として東京は触れる機会は多く得られますね。

またこうした最先端の研究をしている担当施設の先生と、

本社の学術部門の人を引き合わせたりして、新しい研究を始める、

そんな活動に面白みを感じる人には非常にいい環境と言えます。

 

トップKOLを担当できる

多くの場合、講演会演者でよく選ばれる医師は東京の先生がいるのではないでしょうか。

もし自分の施設にTOP KOLがいたら、プレッシャーはありながらも自分の名前も売ることができますね。

トップKOLの先生はその分野では最先端のポジションにいるので、

講演もスケールが大きい話が多くて面白かったりするんですよね。

海外との治験エントリー数の競争の話とか、新規開発医薬品の進捗状況とか。

こうした話題に触れることができるのも、東京のKOLを担当している特権かなと思います。

 

少し話逸れますが、トップKOLの先生って、自社品だけを進めるわけじゃないと思うんですよ。

ガイドラインや学会でもかなり偉いポジションの先生だからこそ、

今ある治療薬を最大限組み合わせて治療しているし、

結果として自社に偏った講演というわけではなくなります。

「君の扱っている薬剤は大事な武器の一つだ。粗末にはしないが、かといって褒めることもない」

以前言われたあるKOLの先生の言葉です。

今後のMRには、自社品を売り込むだけでなくこの考え方を持つ必要があると思いました。

 

今後のキャリアアップが狙える?

東京を経験して次のステップに…という会社もあるみたいですね。(うちは違いますが)

聞いた話だと国内系製薬会社の、東京担当者はかなり厳しい選抜テスト?のようなものがあって、

いわゆる会社として、期待されているエリートで固められているとのことです。

少なくとも東京で仕事した経験が、経歴上マイナスになることはないので、

本社との距離も近いですし、キャリアプランが明確な方は積極的にアピールすることができるでしょう。

 

逆にいうとこうした東京を「神格化」している企業にお勤めの方で、異動希望されている方は、

現在のエリアで行っている活動で以下の点があればアピールしやすいかもしれません。

この点意識してみましょう。

・製品関連のKOLを担当して本社推奨演者に育てた

・マーケティング、MSL等とすぐ連絡が取れるぐらいの関係

・誰からみても文句が出ないぐらいの実績

プライベート面

※プライベート面は個人個人での感じ方が特に違うので、

あっさり書いていきます。

「無い」ものが「ない」

新しいものは大体東京から入りますし、

歩けばお目当のお店にもぶつかるというぐらい繁華街たくさんありますから、

「無いものがない」というのがメリットでしょうか。

 

新しいもの好き、買い物好きの方にはたまらない土地なのかなと思います。

あと自然が無いとイメージされる方いますが、

東京から車で一時間も走ればのどかな風景出てきますよ。

川が流れていて山が見えて…と落ち着く風景です。

きて思ったのは、「意外と自然もあるんだな」ということです。

 

子供の教育面など、生活面で選択肢が多い

特殊な教育をしている幼稚園だったり、中高一貫、今は小中一貫なんてのもあるみたいですが、

やはり教育面の選択肢は多いと思います。

かなり騒がれている待機児童の問題も、自分の周りでは困っている人もいないので、

少しずつ解消に向けて取り組みが進んでいると思います。

ただ情報を集めていると思うのは、かなり「お受験文化」のところがありますね。

謎に独自の教育理論を振りかざして、他人にも共有する宗教likeの方もいますので要注意。

 

交通インフラ最高

これはみなさんイメージつきますよね。いきたいところに、大体徒歩10分以内では駅がありますね。

ややこしい乗り換えもアプリ等あるので迷わなくなりました。

東京で働くデメリット

仕事面

MRの存在価値を自ら見直す

前述の通り本社スタッフとの同行が多いのですが、

医師側もそれに慣れていて、MRからの情報提供を軽視する医師も中にはいます。

医薬品のデータや新しい試験結果なんてものはすでに知っていて、

僕らには到底降りてこないような情報レベルの話を期待されると、

MRではどうすることもできなくなってしまうんですね。

この点はかなり無力感を感じることが多いです。

昨今の厳しいコンプライアンスの関係で、新規臨床研究にMRが携わることも難しい時代です。

医薬品のデータ紹介以外に、自分ができる仕事を作り出す必要があると思います。

「研究」の提案、関与はできなくても、「やりたい」という声を本社に届けることはできますからね。

 

病院間のしがらみが多すぎる

患者の取り合い…まず病院が多すぎですね。

地方に行けば即基幹病院クラスの病院が隣り合ったりしています。

各病院も収益を上げるために、色々な手で収益UPを狙っています。

 

MRレベルではどうしようもない事例も存在しています。

例えば自分の担当施設外の病院が、がんセンターから有名医師を呼んできて腫瘍内科を立ち上げた。

大々的に患者を集め始めて、自分の施設からは新患が激減した、など。

地方であればいいんですよ。どちらの施設も自分担当だったりするので。

東京は狭いところに複数の医療機関があるので、こうしたケースの場合実績低迷は避けられないですね。

 

後はこれは全国共通かもしれませんが、面調剤への処方の飛び方がかなり広い印象です。

門前応需の割合が著しく低い病院もあり、

もうこの辺りは病専担当者は織り込み済みで仕事をすべきでしょうね。

 

基礎研究、臨床研究について。

研究も競争がある世界です。「あっちを立てればこちらが立たず」

東京は一枚岩になってデータを作っていくとは言い難い部分もあります。

この辺り認識して活動しないといけないので、表に見えてこない情報を精査する能力はつきますが。

 

後基礎研究にも積極的な大学病院も多く、

全てを理解しろとは言わないですけど、

自社の関連部門にバトンをつなぐぐらいの知識は持っておく必要があるでしょう。

活用できる技術かどうか?学術に丸投げしただけでは取り合ってくれないこともありますからね。

いかに自社品の今後の開発に役立つか、などの情報も添えて提案すべきです。

「できて当たり前」の空気

やっぱりエリート意識が高い人が多いんですよ。

求めるハードルが高いというか、周りは場所場所で高実績を残してきた人も多いので、

仕事の提案とかスピードとかがやっぱり違うんですよね。

この環境に身を置けるのはメリットになる反面、

「これぐらいのこともできないのか?」

というレッテルを貼られる可能性も認識しておいた方が良いです。

僕は決してデキる人間ではないので、最初はかなり苦労しました…

(今でも苦労することが多いです)

ただ自分の仕事のスキルをあげるという点では勉強になると思います。

自分では考えつかないようなアイディアを持った人間もたくさん集まっている、そんな印象です。

プライベート面

物価高い。家賃高い。

もうこれは言わずもがな、ですね。

よく東京は安いものが多いという人もいますが、

いろんな都市に住んで感じるのはやっぱり生鮮食品とかの値段は高いですよ。

後は誘惑が多くお金を使いすぎてしまうという部分もありますが…

 

家賃は説明不要ですよね。会社によっては住宅手当の金額に差をつけていると思いますが、

規定内だと驚くほど狭いところにしか借りれないという事象も起こります。

プライベートで車を持っている人。

僕の住んでいる地域の月極駐車場の相場は、月3万5千円です。よく考えて…

 

満員電車など…心に余裕がない人が多いのか?

これは若干の愚痴になりますが、文句言う人多すぎやしませんかね?

なんかみんなイライラしてると言うか、ギスギスしていると言うか。

もっと心に余裕を持って過ごせばいいのになぁ…と感じます。

僕は原因の一つが満員電車かなと思っていて。

あの殺伐とした環境で神経すり減らして、会社で仕事して疲れて、心に余裕がないのか…?

あまり具体的には書きませんが、一つ確かなことは、

子供に対してはめちゃくちゃ厳しい人が多く、心無いことを言われたりもします。

気にしない鋼のメンタルを身につけましょう(身に付きました)

 

まとめ

・地方都市では経験できない仕事ができる

→本社スタッフとの密な同行、研究を組むエビデンスづくりの橋渡しなど

・キャリアアップにも有利?会社によっては管理職昇格の条件になっているところも。

・市場の特殊性から、「東京で働いてみたい!」という想いのある人が、

異動希望を出されることをお勧めします。

 

個人的には担当してよかったなと思えることも多いです。

普段何しているかわからない本社スタッフが、

次の一手を投じるために現場で何をしているか?

と言う部分が見れただけでも、今後のキャリア形成の選択肢を増やすことができてメリットかなと思います。

ぜひチャレンジしてみましょう!

ケースケでした。