web面談はMRの働き方を変えることができるか?【6/6追記】

web面談はMRの働き方を変えることができるか?【6/6追記】

製薬業界ではweb面談を行うことが一種のトレンドとなっています。

あくまでも一つのツールなのですが、各社重いKPIを課して、

現場の負担になっている状況もあるようです。

このweb面談の普及は、MRの働き方をどう変えていくのでしょうか?

web面談に対する大前提としての考え方

まず顧客が拒否するケースを無理に依頼するのはナンセンスだと思います。

特に現在は各社がこぞって依頼をしているばかりに、

医師側が疲弊しているケースが散見されるようです。

無理な依頼は全くお互いのためにならないため、この点は注意する必要があると思います。

 

そして重要なのは、今までアポイント面会すら受けてもらったことが無い医師には、かなりハードルが高いということ。

薬剤の情報は自分で取る!MRからの情報提供は受けない!という先生もいらっしゃいますよね。

この先生にはweb面談を依頼する段階では無いのです。

難易度が高い医師だと思われますので、優先順位を少し変えて活動しましょう。

※過去少しこのブログでも触れています。よろしければ以下の記事をどうぞ。

もちろんwebの方が時間を気にしなくて良いし、積極的に依頼しろ!という意見もごもっともですが…

余計拗れて関係悪化は免れないと思います。

活動しても全く響かない顧客へアプローチを継続すべきか?

web面談で変わる、今後のMRの働き方

転勤を気にしなくて良くなる

移動時間が減るというメリットは、言い換えれば全く移動せず面会できるということです。

自宅、オフィス等で時間になったらPCつないで面会開始、

これがメイン活動になれば、一日自宅、またはオフィスで仕事できることになりますね。

そうなれば担当エリアに住む必要性も特になくなるので、

転勤の必要性もなくなるのではないでしょうか。

訪問しなければいけない用事がある場合(例えば説明会など)は出張して、

通常の面会はweb面会を実施し、資材依頼等はon demandで資材発注システムから直送する、

そんな働き方ができる時代が近づいてきていると思います。

プライマリー領域ではまだ課題が多いかもしれない【6/6追記】

僕は今オーファンドラッグを担当していますが、

もしかするとこの流れはもう近いのでは無いかなと思っています。

ただ多くの方が所属しているプライマリーケア領域は、

やはり色々と課題が残されていますね。

・単純にターゲットDr.数が多く、web面談でカバーしきれない

・調剤薬局、卸等直接訪問する活動が一部残されている

・エリアでの医療圏ごとに講演会企画する際は、土地勘があるかどうかは重要

※プライマリー品目担当されている方も何か活用できないかなと、思いつきです。

システムは各社統一した方が良い。自社都合ではなく、顧客都合を考える。

課題の大きな一つとして、各社依頼しているweb面会のシステムがバラバラだということがあります。

zoom、veeva、Dr.joy、そのほか自社オリジナルツール…

依頼される側はたまったもんじゃ無いですよね。

僕が医師なら、「各社統一しろ!」と強く思うかなと思います。

veevaとDr.joyはこの業界ならメジャーですが、一般の認知度はまだまだなので、

個人的にはzoomでの普及が広がっていけば良いなと思います。

先生同士でもzoom活用して遠方の先生とやりとりされているようですし、

「zoomで面会できませんか?」という依頼が一番心理的ハードルが低いと思います。

URLクリックするだけで面会できますからね。

業界が独自のプラットフォーム作り出すより、

世間一般で普及しているツールを活用して欲しいと…強く思っています。

MRの業務時間のうち、移動時間の大幅減が期待できる

MR側の大きなメリットはこれだと思います。

今までも触れてきましたが、長時間の移動で面会時間10分、なんて経験みなさんあると思います。

この移動時間がなくなることは多くの点でメリットです。

ざっと思いついただけあげてみますが、

・勉強の時間が増えて提案内容の質が上がるのでは?

・車による長時間の移動が減り、事故等の件数が減る

・自宅に早く帰って家で過ごす時間が増える

・急な予定変更による空振りのリスクがない(日程変更すれば良いだけ)

などなど、色々あると思いますが、自分含めてMRの非効率的なところに、

移動時間に大きく時間を割かれるという点があったのだなと思います。

自分以外の人間の助けを容易に借りることができる

マーケや学術等、URLを共有すれば誰でも参加できると思います。

これらの部署の人は、出張するとなると時間的拘束が発生し、

通常業務が回らなくなりますので同行するにも限界があります。

ただweb面会ならば、時間さえ都合つけば同席してくれる可能性は上がるでしょう。

言葉悪いですが、地方のそこまで市場のない施設であったとしても、

マーケティングから直接話を聞くという点で興味を持ってもらえる先生もいるかも知れません。

僕らで回答が難しい話題について、学術部門と出張予定をすり合わせるより、

web面談を設定してしまった方が早くて確実です。

この敷居を下げることができるのは、医師側にもメリットがあると思います。

 

医師に助けてもらう時代になるかもしれない【6/6追記】

地方都市にありがちな、「大学の先生はどうしてるの?」と言う質問を受けた際、

影響力強い医師と、その先生を面会に同席させることも可能なのではないでしょうか。

そして先生本人から直接使用感や、注意する点などを語ってもらうなどできると思います。

双方の同意があればですが、その分野のTOPKOLとの面会も設定できるかもしれません。

普段なかなか話すことができない医師同士の面会を、MRが仲介する、

顧客(医師)としてはこんな強烈な営業体験(※注)はないだろうと思います。

注:近年営業手法が複雑化しており、単なる製品の紹介で終わる営業ではなく、「エクスペリエンス優先型の発想法」が重要と言われています。営業されたことそのものを価値に感じてもらう考え方です。

まとめ

・web面談は全顧客に適応できるツールではないが、今後は普及が進む

・MRの働き方が変わるかも?転勤しなくてすむのはメリット大きい

・領域、使用するツールなど、まだまだ課題はたくさんある

オーファンをやっているとこれらのハードルは比較的低く感じますが、

ターゲット医師数多い方には、まだまだ課題と感じる部分が多いですよね。

営業を受ける側=医療従事者側がweb面談に慣れてくるという時間も必要かと思いますが、

今後はどんどん普及していくのではないでしょうか。

時間を有効に使えるという点では、お互いのメリットは大きいと思います。