バイオベンチャーへ転職の不安について 2.【福利厚生編】
興味はあるけど、実際どうなのバイオベンチャーシリーズ。
前回は会社の生産性、規模について書きましたが、
今回はもう少し具体的に、福利厚生面について書いていこうと思います。
雇用も不安定、待遇も悪い、そんな会社に人は集まるのでしょうか…?
規模も小さいし、ベンチャー系転職が不安ってのはとてもわかる。特に待遇面、福利厚生面不安に思う人もいるよね。でもベンチャーって「よそよりちょっと多めに(給与)出すから、多少のことは見逃してよ!」感ある。細かい福利厚生なくてもまぁ困らないという感じ。何より待遇悪いと人集まらないし…
— ケースケ (@Keisukemrlifeh1) June 17, 2020
※本記事では福利厚生と言っても広いので、社員満足度を高めている制度という意味合いで書いていきます。
結論:福利厚生は大手製薬会社となんら遜色ない
勤務しておよそ1年ほど経過した段階で見えてくることもあるのですが、
営業所メンバー等に聞いても、概ねこの意見は一致しています。
特に現在の会社は内資系からの転職者も多いのですが、
福利厚生面で劣っている点はほとんど目につかない、との談です。
(自分は内資で働いたことがないので、信じられないような福利厚生の制度があるものかとイメージしていました)
もちろん家族手当をはじめとした、〇〇手当といったものは全くありません。
全て基本給として組み込まれており、給与明細は実にシンプルな記載です。
「基本給 〇〇万」と書いて終わりですからね。
ただ転職時、それらの手当がある会社からの転職者は、当然手当分も給与として計算されているので、
全てまとめて「年棒〇〇万円」でオファーされるといったイメージです。
注意点は残業代は含まれての基本給が計算されています。
完全裁量労働制のため、個々人で労働時間を調節しろという方針ですね。
前職で月3,4万円は時間外労働があったなぁという方、安心してください。
もちろんそれも含めて、+αでオファーが提示されると思います。
実際にもらえる年収はどれぐらい?
風通し良い職場ながら流石に給与は筒抜けではないのですがw
今は社員の声を反映させているサイトなどもあるので(Open Workなど)、
興味ある方は少し覗いてみてはいかがでしょうか。
企業によってはかなり赤裸々に書かれていますので。
ちなみに弊社。サンプル数は少ないながら給与について投稿している人がいて、
概ねそれぐらいだろうなぁという認識です。
ベンチャー系は買収リスクが常に伴うというところもあり、激務薄給では人が集まりません。
ある程度給与で還元する姿勢はある様に感じます。
ちなみに自分は転職して待遇はよくなりました。周りのメンバーもほぼ同意見です。
RSUが付与される会社も!ところでRSUってなんだ?
RSU=Restricted Stock Unit、制限付き株式のことです。
毎年一定数付与されるケースもあれば、業績に応じてインセンティブとして付与されることもあります。
つまりは会社からの自社株のプレゼントです。
多くの企業は、権利発生から確定までに一定の期間を要します。
例えば入社1年目、RSU100株と提示されたとしましょう。(入社前に年棒と別に提示されます)
計算ややこしいので1株1万円、株価変動なし、為替無視で計算します。
すると入社初年度は、100株×1万円=100万円分「権利発生」となります。
企業にもよりますが、例えばこれを「年間30%ずつ」というように規定されます。
1年間働いたら「30%権利確定」となり、30株,30万円分が付与される(もらえる)ということです。
100株分で終わり!ではなくて、「今年の成績だとRSU150株ね」と言った感じで積み上がり、
100株(初年度提示)-30株(権利確定)+150株(新たに権利発生)=220株の権利保有で2年目へ。
2年働いたら220株×30%=66株権利確定、残り154株+新たに権利発生分株(昨年と同様なら150株)
3年働いたら304株×30%=91株権利確定、残り213株、新たに…
こんな感じのイメージです。
企業によっては、3割ずつではなく「3年ごとに全て確定」等もあります。
100株(初年度提示)、今年の追加分は150株(新たに権利発生)=250株の権利保有で2年目へ。
2年働いたら250株、今年の追加分は150株(新たに権利発生)=400株の権利保有で3年目へ。
3年働いたら最初の100株が権利確定、追加分は150株=400-100+150株=450株の権利保有で4年目へ…以下続く
これは会社によっても異なりますが、ベンチャー系の福利厚生を高める一つの制度となっています。
ややこしいので一行でまとめると、「現金以外に毎年株式分収入が増える」という制度です。
転勤の可能性について、人の入れ替えはどのように行われるのか?
転勤が多く引越しを余儀なくされるケース。
これはメリットもある反面、生活の基盤ができないということで敬遠される要素の一つです。
まず弊社を例に挙げるとほとんど転勤はありません。
なぜなら人数少なく、人口の多い都市部に居住し、出張で活動するからです。
具体的には新4大都市エリア、東京、名古屋、大阪、福岡にほとんどのメンバーが居住しています。
一部家庭の希望でこれら以外のエリアに住んでいる人もいますが、
その辺りも比較的寛容で、全員希望地に居住している状況です。
特に現在の情勢から考えると、今後さらに普及するWeb面談ツールの影響で、
より転勤をさせるメリットがなくなるかもしれません。
もしかすると弊社よりもっと規模の小さい企業などでは、
全員本社のある東京に居住、各地へは出張で対応というケースの会社もあるでしょう。
2-3年単位で転勤を繰り返し、生活の基盤をなかなか持てないという方。
思い切ってベンチャー系への転職も視野に入れてみてはいかがでしょうか?
残念ながら営業車はない(弊社の場合です)
都市部居住→都市部の移動は交通網が発達している→取り立てて営業車の必要なし、という判断です。
現地移動でレンタカーを借りることは認められていますので、
例えば東京から仙台へ新幹線で移動、その後レンタカーで病院へ、という働き方です。
どうしても車を持つ必要がある家庭は、自家用車を購入する必要があるかもしれませんね。
(もちろんこれは企業により異なると思います)
確定拠出年金制度(401k)もありますよ
退職金が無い!という会社もあるかもしれませんが、弊社は企業型確定拠出年金があります。
きちんと退職金(扱い)も積み上げていただけますのでご安心を。
とはいえ全ての会社にある制度では無いかもしれませんので、これは入社前に確認しましょう。
制度がないからよくない、というわけではなく、掛け金分全て給与として振り込み、
「自分で運用してください」という企業も存在すると思います。
日頃より現職の掛け金がいくらか、どれぐらいの運用状況かは確認しておくことをお勧めします。
※厳密に言えば退職金と401kは違います。給料と別建てで会社拠出で積み上げてくれている制度、としました。
健康保険の取り扱いは?
弊社の場合、流石に自社の健保組合はありませんが、製薬関係は薬業健保等あると思います。
一部外資系で優れた健保組合の制度を聞いたことがありますが、
まぁそこまでのものは期待できないと言った感じですね。
(そもそも日本の保険制度は世界一なので、皆保険制度で十分なのですが)
人によっては、自社健保組合の手厚い制度で持病の通院費が免除されている人もいるかもしれません。
その際は家計に大きな影響を及ぼすので、入社前に確認しましょう。
気になることってどこまで聞いていいの?聞きすぎて嫌がられない?
内定、オファーレター発生後は気になる点はエージェント通じて確認すべきだと思います。
過去の実体験、営業所メンバーの話から総合するに、
「入社後でないと教えられません」という企業は聞いたことがありません(もちろん機密事項は無理ですが)
例えば確定拠出年金があるか?等は移管金をどうするかという点で、事前確認必要でしょうし、
住宅手当の有無、エリアごとの金額の違いなどは確認しないと物件探せませんよね。
給与の内訳も聞いても問題ないです。各種どんな手当があるかも大丈夫。
なぜなら自分も実際に確認して、丁寧に人事の方から連絡をいただきました。
(オファー時は、「年棒○○円」ぐらいしか書いていないこともあるのです)
とにかく気になることはエージェント通じてどんどん確認してもらいましょう。
まとめ
・大手では当たり前の制度が無いケースもあるが、給与しか保証するものがないので高還元のケースが多い。
・現職の会社独自の福利厚生がなくなる事によるデメリットはきちんと計算する(健保組合など)
・福利厚生面で敬遠していた人も、選択肢に入れてみてはいかがでしょうか?
現況MR削減等の話が多いですが、とはいってもこれから日本に参入する企業なども存在します。
ベンチャーのリスクは買収リスク。ただそれを除けば、福利厚生面では他社に劣りません。
実際に転職を考えていて、もう少し詳しく聞きたいという方いれば、
TwitterのDMなどで連絡ください。
身バレしない程度に、匿名である利点を生かして明細をお教えします。
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